緩和ケア PALLIATIVE CARE

緩和ケアとは?

緩和ケアは、がんや生命を脅かす疾病に直面した際、病気に伴う身体と心の苦痛を予防し、和らげるための治療です。
生命を脅かす病気と診断されたらひどく落ち込んでしまうことがあるかもしれません。その病気の療養中は、つらい症状や治療の痛みに悩まされるかもしれません。このような身体と心のつらさは満足できる生活の大きな障壁になってしまいます。
緩和ケア内科は、疾病に関わるつらさを和らげることに特化した治療を行うことで、患者さまが自分らしい生活を送ることができるように支援しています。

在宅緩和ケア

「緩和ケア」とは、がんと診断された時から行われる、苦痛を取り除くための治療ケアという幅広い概念なのですが、「在宅緩和ケア」の対象は、自宅で最期を迎えたいという、いわゆる末期がんの患者さまを対象とすることが多いです。

手術や抗がん剤治療が不可能となった時に、「残された時間を住み慣れた自宅で家族と共に過ごしたい」と患者さまが希望された時に行われます。

対応疾患

疾患分類 具体的傷病名
がん(悪性腫瘍)等の
生命を脅かす疾患
がんに限らず、生命を脅かす疾患を持った患者さまの中には、痛みなどさまざまな症状、療養上の問題や心配事が出現する方がいます。緩和ケア内科では、そのような痛みや吐き気といった身体の症状や不安な感じや気分の落ち込みなどの気持ちの問題などの症状を和らげる治療や支援を行います。

当クリニックの緩和ケア

当クリニックで在宅緩和ケアを希望される方は、病院やケアマネージャーから紹介されることがほとんどですが、直接お問い合わせいただくことも可能です。
まず、ご本人やご家族の意思と希望を確認するために来院していただき、院長と面談をお願いすることもあります。
患者さんの状態にもよりますが、実際に在宅緩和ケアが行われる場合には、医師が週に1回訪問することが多いです。なぜなら、がん末期の患者さまは病状が急に変化することが多く、頻繁な診察が必要となるからです。

このほか、訪問看護師や訪問薬剤師、ケアマネージャーやホームヘルパーなど、医療と介護の様々な職種が総力をあげて患者さまが穏やかに自宅で過ごせるようにサポートします。
必要があれば、在宅でできる緩和ケアでもモルヒネの点滴を自宅で行うことができ、痛い時に痛み止めの追加も自分でできます。
また、自宅で酸素を吸うことや吐き気止めや眠れない時の薬も使用することもできます。
自宅に帰った途端に痛みが和らぐこともあり、自宅に帰ること自体が痛みの治療になるとも考えられます。
そういう点では、病院よりも優れた緩和ケアができるということかもしれません。
当クリニックでは、患者さまやご家族が安心して在宅での緩和ケアを続けられるように、家族での生活ペースを守りながら在宅コーディネーターを中心にサポートを行います。

緩和ケアのタイミング

緩和ケアは病気が進行して治療できなくなってからではなく、治療の開始とともに必要性を検討します。
早い段階から治療と並行して緩和ケアを行うことで、苦痛の少ない優しい治療を実現し、生活の質を改善することができます。
ですから、病気の終末期だけではなく、「つらい」という感情が芽生えたときが緩和ケアを始めるタイミングです。

※治療と並行して行い、徐々に緩和ケアの比率が高くなり患者さまの身体に優しい治療となります。

闘病中の方へ

闘病中の苦しみは、肉体的な痛みから精神的なつらさまでさまざまなものが考えられます。こうした苦しみに幅広く対応するため、緩和ケアは診療科に関係なく医師・看護師・薬剤師などが連携を取りながら対応します。
つらい気持ちを人に伝えることがつらさを和らげるための第一歩になります。「気分が晴れない」「痛い」「苦しい」「眠れない」など、どんな些細な悩みでも気軽に担当医や看護師に相談してください。当クリニックは患者さまの苦痛を和らげるために、できる限りの治療を提供いたします。

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